ドラゴンクエスト11感想(ネタバレ注意)〜DQ11によって過ぎ去りし日常生活に戻りたいけど中々終わらない〜
1 ドラクエ11楽しいです。
RPG全盛期のSFC〜PS時代はどちらかというとFF派だった自分ですが、ドラクエ11を始めたらハマってしまいました。
巷でも結構人気みたいです。様々な面でバランスが取れており良ゲーですよね。
ゲームシステムが簡単すぎず、複雑すぎない。
難易度も簡単すぎず、難しすぎない(個人的には、ちょっと簡単すぎかなと・・・古参のRPGプレーヤーもそう感じるかもですね。その分しばりプレイがあるのでしょうが)。
本クリアまでのボリュームもかなりあり(なかなか終わらない・・・)、クエスト、おなじみのカジノ等の本シナリオ周辺の要素も充実してます。
よく作り込んであるなと、結構気合入れて作ったな!!って感じです。
スマホゲー・アクション系の洋ゲー全盛期の今、こんなゲームをプレイできることに感謝です。
基本ドラクエって男性向けではあるのですが、11についてはRPG好きであれば、女性がやってもそれなりに面白いかと。主人公含め結構キャラにイケメンも多いです。
美人とかは沢山いるのはもう当たり前なんですが・・・過去最高のイケメン率ではないでしょうか。
ゲーム業界の方で女性ゲーマーのことも意識し始めたのかなという感じもしますね。制作側に女性が増えた(?)からか。全然昔に比べたら、女性フレンドリーだしキャラクター観もこう・・・そんな古臭くないというか。
ベロニカが子供の姿だったり、幼馴染のエマさんのキャラ造形とか、マルティナさんのセクシーサービスとか、分かりやすい男性サービスが断然多いわけですが。
自分は武闘派なマルティナさんが好きです。エマさんと結婚できるらしいですが、マルティナと結婚したかった。
キャラ萌え要素が過去作中最大規模なのではないでしょうか。元のドラクエの良さも十分盛り込みつつプラスアルファ要素ということでいいと思います。
そっちの界隈で、ほどほどの盛り上がりも見せているようで、いわゆるカミュ主カミュ、グレホメあたりがこう、盛り上がっている様子です。
ピクシブパトロール*1をすると、マルさんを中心とした女性陣が胸出してるようなあからさまな男性向けイラストと、カミュ、主人公、グレイグ、ホメロス辺りのBLイラストが混在しているというカオスになっております。
個人的にヒットしたのは、デルカダールの将軍2人・・・と言うより、ヤンデレホメロスさん。
主人公と相棒も可愛いんですけど、将軍2人の拗らせた重い愛憎渦巻く感じがもうたまらないです。
・幼馴染で親友で戦友
・色違いの鎧(白と黒)でお揃いのネックレス
・同い歳のおじさん(独身36歳)
・無神経で不器用なおじさんと神経質で拗らせてるおじさん
色んな要素ぶっこみ過ぎてツラい。36歳という設定もむしろ美味しい。
ホメロスさんの重い友情(愛情)が辛い。
この人絶対、好きな相手に大嫌いだと言うタイプか。
結局2人はお互い他方に憧れてその背を追いかけながらも、そんな気持ちを直接口に出すことはなく、最後まで取っ組み合いの喧嘩をし続けていたわけで。なんて不器用な36歳たちなんだ。
2 ホメロスは何故救われなかったのか。
ホメロスは作中、相当嫌な奴・冷酷な奴、みたいに描かれていますが(制作側はホメロス嫌いだろ)、王様が乗っ取られてから、ウルさんに懐柔され段々と変わってしまったということなんでしょうか。
元々はグレイグとニコイチで国民的人気のある将軍だったようで、モブ兵士や国民からはホメロスを慕う声がちらほらと聞かれます。少年時代の出てくる回想シーンでも多少ツンとはしてますが、悪人という風ではない。
グレイグはその辺の変化に気付かなかったのかとか、そもそも王が乗っ取られたことに16年もの間気付かなかったのか、とかストーリーとして色々とおかしな所はあるわけですが。
実際、こんな感じの頭が良くて反面他人にやたら厳しくて、神経質で、優秀なのに自信がないからその反動で攻撃的だけど、根は優しい部分もあるって人、自分の周りにはちょこちょこいます。
まあ、大抵とても面倒臭い奴なのですが・・・。
モヤっとするのが、(一部の人から)ちょこちょこ聞かれる声ですがホメロスさんだけ何で救われないのかということ。
「あれだけやったんだから当然だろ」と反論されるだろうわけですが、当然だと思わせるような嫌な人物描写をされたのが何でかって思うわけです。
悪役としてのカッコ良さもあまり描かれていないし、ただ自分の劣等感に付け込まれて利用されて、散々悪行してその結果主人公たちに倒された奴、で終わってるんですよね。
登場人物紹介としては、グレイグと双頭の鷲で優秀な軍師とされているけど、そんな所も全然出てこないしあれっとなってしまうわけですね。
OPムービーの綺麗なホメロスさんがピークという。
このドラクエ11では、魔物は、まあ魔物なので・・・絶対悪のような存在で描かれ、そこに疑問を挟む余地はあまり出てこないのですが、人間については、「根っからの悪人」として描かれる人物はほとんど・・・というか全くに近く出てこず、それ故、一時的に敵対しても大抵は反省からの許しというルートを辿ります。
「許す」ということはドラクエ11の1つのテーマになっているようで、主人公の育ての母ペルラや育ての祖父テオから度々語られます。
それだからこそ、ホメロスが、その言動も徹底的に悪人然として描かれ、「救済の余地がなくても仕方ない」ことに説得力のある人物とされていることに違和感を覚えるわけです。
人間の「悪」の面を一身に背負わせたキャラになっている。
「他人を許す」というテーマの中で、突然「因果応報」テーマをぶち込んできたという違和感。
メタ的な話ですが、「あそこまでやったら救われないだろう」と、プレーヤー達に思わせられる人物として描いて、実際結構悲惨な最期を遂げさせている。
利用されたとはいえ、自分の行為に対する何らかの責任は取るべきというのは自分もそう思うんですが、じゃあ他のハンフリーとかマヤとか・・・許すとか色々言ってたのは何だったんだと思うわけです。
ここだけ、「対人間」で、従来のコンテンツの多数を占める、「悪役をやっつけたぜ!!スッキリ!!」という単純な構成になっているんですよね。しかもイケメンで嫌な奴ならもう完璧、という具合で。
本当の制作側の意図なんて分からないですが、いかにも男の嫌いな嫌われ美形悪役キャラとして描いて、それだけじゃあれなので、他の悪行した人間と同じく、その悪行の理由は一応説明しようってことで、グレイグとの因縁も付け加えてみましたよ〜〜という感じもします。
そのグレイグとの因縁についても割とあっさり書かれているせいで、30年来の大親友だとか「俺の光だ」とかいう言葉があまり説得力を持ってこないんですよね・・・。
グレイグとしては、男同士でお互いを認めたり褒めたりなんかしない!!男は拳で語るものだ、って感じだったんでしょうかね。
あるいは長年近くにいて、言わなくても伝わっているはずだという夫婦とかにありがちな甘えもあったんでしょうが。
グレイグって昭和の男って感じですからね。
そういった不遇さも合わせて自分みたいな一部の人たちからは人気が出ているのは面白いですけど、ホメロスさんに関しては何となく後味悪くモヤっとするストーリーでした。
ホメロスの自分に自信を持てない所やそれと表裏一体としてのグレイグに対する劣等感、嫉妬というのはとても人間くさい感情であり、多くの人間の持つ弱さだなあと思います。
あそこまで拗らせなくても、似たような感情に振り回された経験を持つ人は多いのではないでしょうかね。
むしろ、人間は条件が揃えば、弱い心故に冷酷なことを平気でする生き物なので、ホメロスが一番人間らしいなという気もします。
現実世界や過去の歴史を見ると、ホメロスより冷酷で残酷な人間なんてほんと沢山いますからね(まあ、全年齢向けゲームなんで・・・)。
しかし、あの拗らせ具合は普通じゃないですね。
グレイグに対する執着が凄い。
30年以上近くずっと近くにいた大親友だからこその劣等感、なのでしょうが、それにしてもね・・・恋愛の本質は執着とか依存だと思うので、やはり意識的にしろ無意識的にしろ片思いし続けてきたのでしょうか。
恋愛を超えて愛情とか友情に昇華できるほど、自分に自信も持てなかったし、大人にもなれなかったんでしょうね・・・。